【食前】
食事の30分くらい前におのみください。胃の中に食べ物がない方がよく吸収されるお薬や、吐き気どめ、胃腸の動きをよくするお薬などがあります。
【食後】
食事のあと30分以内にお飲みください。忘れやすい方は食事の直後に飲んでも構いません。
【食直後】
食事をしたすぐ後にお飲みください。胃の中に食べ物があるため、胃腸障害を防ぎます。また、食べ物と一緒の方が効果的なお薬があります。
【食直前】
食事の前15分(お薬によっては10分)から食べ始めるまでの間にお飲みください。食後の高血糖を防ぐ糖尿病薬には食直前のものがあります。
【就寝前】
寝る30分くらい前にお飲みください。睡眠薬、夜間の胃酸分泌を抑えるお薬や朝の排便を期待する便秘薬などがあります。
【時間毎】
食事に関係なく指定された時間にお飲みください。血液の中の薬の濃度を一定にするために、一定の間隔で服用する必要のある薬などが該当します。
【頓服】
医師の指示にしたがって必要な時にお飲みください。痛み止めや熱冷まし、咳止め、吐き気や下痢止めのお薬などがあります。
お薬によっては、水やぬるま湯以外の飲み物で服用すると効き目が弱くなったり、反対に効きすぎたりすることがあります。
その一例として、
・牛乳 x ある種の抗生物質 → お薬の吸収が悪くなり効き目が下がる
・グレープフルーツ x ある種の血圧の薬 → 薬血圧が下がりすぎる
・お酒 x 糖尿病のお薬 → 低血糖症状を起こす
・お酒 x 睡眠薬 → 睡眠薬の効き目が強くなる
・カフェインを含む飲み物 x 喘息のお薬 → イライラ、不眠、動悸が表れやすくなる
少量の水や唾液だけでお薬を飲み込んでいる方がいます。
一般的に、お薬は胃や腸に届いて溶けて吸収されることが大切です。
原則として「最低コップ半分以上の水またはぬるま湯」で服用してください。
薬の保管の仕方によっては、変質して効果が期待できなくなることがあります。一般的に「高温・多湿・光を避ける」が保管の原則です。
どんなお薬でも、長い間に少しずつ成分の分解が進んでいきます。また、温度が上昇すると分解が速くなります。真夏に車の中にお薬を置いたままにしないこと、また室内では直射日光が当たる場所に置いておくのも避けましょう。
その他、「冷所保存」「凍結を避けること」などの指示があるお薬もあります。例えば、インスリン製剤は基本的に2〜8℃で保管しますが、保管中のペン型インスリンは室温保存です。坐薬や目薬にも冷所保存のものがありますので、薬局で受け取る際は保管に関する説明を受けてください。
医師が処方したお薬は、患者さまのその時の症状に一番合ったお薬が処方されています。もし余ったお薬を保管したい場合は、保管方法を守り、使用する際はその都度、医師や薬剤師に必ずご相談ください。
保管方法を守れば、散剤、水剤を除くほとんどのお薬は未開封の状態で6ヶ月〜1年以上もつようにできています。しかし一旦開封すると保管条件や使い方で品質が大きく変化するため、使用できるかは一律に決めることができません。
点眼薬やシロップ剤などは開封してから長時間経つと、最近やカビで汚染される可能性があります。開封したら冷蔵庫で2週間まで、また外用液剤は開封後1ヵ月までを目安にしてください。粉薬や顆粒状のお薬は湿気に弱いので、開封じにかたまりができていたり、湿り気のある場合には、医師・薬剤師にご相談ください。
お薬を扱う店には「薬局」と「薬店」があります。「薬局」であればどこでも処方せんにより調剤できます。調剤室があり、薬剤師のいるところが薬局です。「保険薬局」「保険調剤」「処方せん受付」などの表示があればどこでも調剤できます。
数は少ないですが、調剤をせず一般用医薬品を販売するだけの「薬局」、または漢方薬を専門とする「薬局」もあります。
医師や患者さまごとにカルテを作るのと同じように、薬局でも来局された方それぞれの体質や、副作用・アレルギーの有無、他に受診している病院の有無、普段どんなお薬や健康食品を服用しているかなどを聞き、その情報を記録します。
これが「薬歴」と呼ばれるもので、お薬を正しく安全に、そして効果的に使っていただくために必要な情報であり、薬剤師は「薬歴」作成のためにいくつかご質問をしています。
薬剤師は処方せんを受け付けたり、一般用医薬品を販売する時など、この記録を参考にしながらアレルギーを起こすようなお薬が含まれていないかなどを確認することができます。もし問題があれば、処方医に連絡し処方内容を検討してもらいます。また、一般用医薬品との飲み合わせもチェックできるなど、薬歴はとても大切な記録です。
※お聞きした情報は個人のプライバシーに関わるものですので、ご本人の了承を得ずに他人に漏らすことはありません。お薬を正しく効果的に使っていただくために、ご協力をお願いしています。
調剤薬局が受け取る対価は、① 調剤技術料(調剤基本料・調剤料)② 薬学管理料 ③ 薬剤料 ④ 特定保険医療材料料で構成されています。お薬の価格自体は薬局一律ですが、その薬局が応需している処方せん枚数や、特定の医療機関から受けている処方せん調剤の場合、医薬品の取り扱い規模などによって調剤基本料の健康保険点数が変わります。その他、夜間や休日に来局された場合などにおいても、健康保険点数が加算されるため、いつもの料金と異なることがあります。
オーソライズドジェネリクとは、先発医薬品を製造販売する販売会社から特許権の許諾(オーソライズド)を得て、後発医薬品メーカーが販売するジェネリック医薬品のことです。特許権の許諾を受けているため、先発医薬品の特許が切れる前に発売することができます。
また、オーソライズドジェネリックは、実際は製造方法のプロセスによって3つの種類の分類されます。
1つめは、先発医薬品メーカーの原薬、製法、技術、製造ライン(工場)を用いて製造し、後発医薬品メーカーが販売する方法です。
2つめは、先発医薬品メーカーと同じ原薬、製法を用いて後発医薬品メーカーが製造する方法です。
3つめは、異なる原薬を用いて同じ製法で後発医薬品メーカーが製造する方法です。ジェネリック医薬品を国に申請する際に必要な試験のひとつ(生物学的同等性試験)も1つめの方法では不要ですが、2つめと3つめの方法の場合は、他のジェネリック医薬品と同様に必要になります。オーソライズドジェネリックだからと言って、先発医薬品と全てが同じというわけではありません。